※こちらの記事は、前回の記事『【最新】採用LIVEの集客施策と効果・リスク(金券/特典)【データ分析】』の続きになります。
名キャリでは2023年2月より採用向けのオンラインLIVEをスタートし、様々な検証を行ってまいりました。
採用活動を行う企業様向けには「有効応募を増やす」という目的の達成に向けて、LIVE運営者としてブラックボックス化していた部分を公開していくことで、より効果的・効率的なLIVEサービスをご提供できればと考えております。
LIVEにおける重要な要素は以下の3つに大きく分類できます。
- 集客(適切なターゲットへのアプローチ)
- コンテンツ内容(適切な情報提供)★
- LIVE開催後のフォロー
①ある程度精緻なターゲット設計を行い、適切なタイミングで、②必要な情報提供を行いエンゲージを上げ、③登録者に対して更にフォローを行っていくという一連のプロセスの中で、有効な施策をメディア事業者として数十回超に及ぶLIVE開催の中で模索してまいりました。
具体的には、動画での告知やコミュニティへの呼びかけから、インセンティブの付与、外部の活用をはじめとした集客と、ターゲット属性に合わせたテーマ設計・出演者・映像クオリティなどコンテンツに至るまで、様々なテストを毎回実施することで、有効な手段を模索いたしました。
前回、集客(適切なターゲットへのアプローチ)に関するレポートを紹介しましたが、今回はコンテンツ内容(適切な情報提供)にフォーカスして紹介していきます。
なお、オンラインLIVEイベントに関する詳細なデータ分析をメインとしておりますが、個社の採用活動においても一定程度の示唆となるような結果も多分に含まれていますので、是非参考にしていただければ幸いです。
名キャリは開設4年で月間200万再生超、トップ企業を目指す学生から最も支持されるYouTubeチャンネルへと進化してまいりました。動画・LIVEに限らず、貴社の採用活動の継続的な成功に向けてご支援をさせていただいておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。
LIVEにおいてコンテンツが果たす役割
前回の記事でも紹介したように、採用イベントにおける重要な要素は『企業名』『タイミング』『特典や呼びかけ』などが大きな部分を占めているため、大前提として、コンテンツよりも集客に力を入れていくことをおすすめしています。
イベントを担当される企業の採用担当者様のかける時間の多くがテーマ選定やコンテンツ、資料作成に割かれてしまっているため、そのような部分については名キャリにおいてフォローをさせて頂ければ幸いです。
25卒就活においては10月と11月において内定者が急増する中で、求められるコンテンツが刻々と変化しています。
オンライン化に伴い生じた説明会・LIVEの変化
オンラインにおける説明会や座談会が主流になってきたことで、
採用する企業側・学生ともに大きな変化がありましたが、特に企業の採用担当者様からは、
「zoomなどを活用するより映像がきれいな方がいいのか」
「(画面オフなどの影響もあり)学生の反応がわかりづらくなってきた」
「本当に聞いているのか分からない」
「説明パートの適切な長さがよくわからない」
などの声をよく聞きます。
また、学生は参加ハードルは大幅に下がったものの、
「オンラインではなかなか身が入らない」
「説明が長いと見ていられない」
「興味がないパートだと離脱してしまう」等、
オンラインならではの悩みを抱えています。
さらに、就職・採用活動の早期化など複合的な要因も重なり大きな変化が生じた今、LIVEの内容をどうすべきか難易度が格段に上がっています。
コンテンツの適切な長さ
まずコンテンツの長さについて、meicari LIVEにて様々なパターンをテストした結果、メリット・デメリットはありつつ、『ベストな長さは45分』という結果になりました。
30分の場合は説明会風の動画としてアーカイブして代替したり、非常に熱の高い学生が多い場合は質疑を増やして90分で疑問を解消しきることもおすすめです。
内容 | 目安 |
---|---|
挨拶 / アジェンダ / 自己紹介 | 5分 |
会社説明(あらかじめ何分程度と伝える) | 3分 |
テーマトーク① | 5分 |
コメントなどへの質疑 | 8分 |
テーマトーク② | 5分 |
コメントなどへの質疑 | 8分 |
テーマトーク③(一問一答など飽きが来ないようにする)/質疑 | 5分 |
告知など | 3分 |
バッファ/退室 | 3分 |
また、45分内の内訳としては、以上のような配分で、概ね3テーマほどに絞りつつ、途中でしっかりと質疑の時間を設けることをお勧めいたします。
コンテンツ内容の分析
上記のグラフは、2023年10月に開催されたEXPOの分析画面になります。
最も大きい変化は企業様の交代タイミングになりますが、概ねイベント中は安定的に推移しています。
一方で、右肩上がりで推移する回と、そこまで有意に上がりづらい回があるため、過去数十回以上に及ぶ(個社では100回以上に及ぶ)分析から、明確に向上する要素から総論として紹介していきます。
総論:タイムリーな情報提供、かつカジュアルな雰囲気が効果的
集客を行った後、視聴している学生に対して、如何に魅力的なコンテンツで就活生を惹きつづけられるか重要ですが、中でも特に以下の2点を押さえておくことをお勧めいたします。
①タイムリーな情報提供
②”本音感”のある雰囲気を演出
名キャリは、月間200万人が視聴するYouTubeチャンネルにおいて『旬』なテーマを発信しておりますが、コンテンツにおいてはタイミングが重要ということを日々実感しています。
通年で説明会を行っている企業担当者の方からすると、多少インターン情報などは入れつつも、同じスライドで変化がないというパターンは多いと思いますが、LIVEで知りたい情報は、”そこでしか聞けない””今聞きたい(旬)”な情報が求められる傾向が強いです。
通常の説明会などとの差別化を図っていくことが、最も有効な施策といえます。
タイムリーな情報提供
例えば、『5月あたりの早期組就活生』への訴求においては、業務内容や福利厚生など幅広な情報提供により視聴維持が伸びる傾向がありました。
一方、『9・10月あたりの夏インターン後で業界研究がある程度進んでいる就活生』への訴求においては、現場社員の方など、具体的な業務内容の話や、福利厚生もより活用イメージが沸く具体的な話が伸びる傾向にありました。
また、9月・10月以降、インターネットなどで情報収集が進んでいる学生が増えてきているタイミングにおいては、色々と調べている前提で、以下2点を押さえていただくとより視聴者ニーズを満たすことができます。
①ネット上に書かれている選考・転職サイトなどのネガティブな口コミ(不安)に対するコメント
②「この場だから言うんですけど」などのぶっちゃけ感を出すことで、その先の話への興味喚起
「どこかで聞いたことがあるな」と思われてしまうと、すぐに離脱してしまう傾向が強く見られました。
また、『貴社への期待値』がどこにあるのか、それにこたえていくことも重要です。
例えば、某インフラ系企業やIT企業においては”挑戦したい人”を求めているものの、実態として志望学生が社内の制度面などの詳しい情報を求めている傾向が見られている場合は、そのような話についても丁寧に説明することで、全体の視聴をキープすることができました。
カジュアルな雰囲気
学生目線でライブは”作られていない社風”を知ることができる貴重な機会として、活用されています。
また、企業側としても、説明への力点はもちろん、”どう見られているか”を再度意識していただくことで、よりミスマッチを防ぎ、更にエンゲージを獲得していくことが可能になります。
名キャリでは、学生がインタビュアーになることが多いため、
①逆に質問をしていただく
②社員様どうしの会話でもりあがっていただく
など、台本にないような話でカジュアルに盛り上がっていただき、よりリアルな社風を伝えていくことで、視聴維持を伸ばすことが可能です。実際に、長すぎる場合を除き、雑談タイミングの離脱は極端に数値の減りがなくなります。
視聴維持を保ちやすい具体的なコンテンツ
コンテンツ内容における視聴継続率などへの変化を分析した結果、(具体的な比較は難しいですが)以下の順に視聴維持率が良い傾向がありましたので、ぜひ参考にしてみてください。
- (就職活動)就活の役に立つ情報 ※選考情報・特典など
- (やりがい)業務の面白さややりがい
- (面白さ) (ぶっちゃけ等)シンプルに話が面白い
- (条件説明)年収や働く上での福利厚生など
- (会社説明)スライドなどを使い事業説明
- (業務説明)具体的に働くイメージを想起できる
はじめや途中で頭出しだけした上で、最後まで視聴してもらえるように肝心な紹介は最後にするなど、工夫次第でさらに視聴を伸ばしていくことが可能です。
その他、コンテンツ内容における重要な要素
その他、視聴維持・エンゲージ獲得における重要な要素を簡単にご紹介いたします。
- 出演者(ご登壇者)
- 映像(カメラ/zoom)
出演者がコンテンツに及ぼす影響
名キャリでは、出演者が及ぼす視聴継続率などへの変化を分析するために、以下の通り分類し分析を行いました。
- 出演者(採用担当/現場社員)
※基本若手の方の出演のため年齢は分析対象外 - インタビュアー(学生/社員様、男/女)
※有意な差が見られないため割愛します - 登壇人数(単独/複数)
結論、最も有意な結果となったものは、複数社員の登壇です。
社員様同士のカジュアルな掛け合いなどが垣間見えることで視聴率を上げていくことが出来ていました。
学生アンケートにおいても掛け合いに関する雰囲気の良さを上げる学生が多く、明確にポジティブに働くことが多かったです。
また、現場社員の方が、業務の具体的な話をしている箇所は離脱傾向が少なく、順調に視聴が積みあがる傾向が見られました。
インタビュアーについては、meicariとしては少し残念でしたが、学生/社員様や男女差など有意な差はありませんでした。
映像がコンテンツに及ぼす影響
スタジオでオフラインにて撮影・オンラインで配信をする形式では、オンラインのみと比べて、LIVE自体のエンゲージメントに有意な差はありませんでした。
一方で、zoomなどオンラインと比べて見やすさが格段に増すため、動画コンテンツとして活用していくことなどを考えるとおススメです。
さいごに:オンラインLIVEは名キャリをご検討ください
meicariでは25卒就活生向けに考え得るすべての施策を実行しておりますが、LIVE・イベント難易度が最も高いのは集客につきます。”ただ数を集めるだけ”であれば様々な手法がありつつ、如何にマッチする学生を集め、更に良質なコンテンツで惹きつけるかが本質的だと考えています。
改めてLIVEを行う上で重要な要素を整理しますが、まずはイベントへの参加前に①-⑤の設計を丁寧に実施することがポイントです。
①参加目的(定性・定量)の明確化
②下記の設定
(対象学生)(学群、文理(理系詳細)、 アプローチしたい人数
(登壇者)採用担当/現場社員/人数/コラボなど
③テーマ・大枠の内容(主として伝えたいこと3つ程度)
④開催タイミング
⑤オンライン/オフライン
上記5項目がしっかりと設計されている前提で、プラスαとして、参加を促す特典をどのようにしていくのかを検討することで効果が最大化されます。オンラインへと移行し変化が激しい採用マーケットの中で、LIVEをご検討の際は是非名キャリにご相談ください。